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子育てサプリとは
こんな症状に:
「子育てをもっと楽しくしたい」「こんな時なんて言おう?」
成分:
コミュニケーションと心理学
効能:
笑えてほっとして元気がでます
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●良い聴き手とは?

子どもの面白い「妙なこと」を見守る時、
私たちはすでに「良い聴き手」になっています。

あるお父さんから伺ったお話です。
端午の節句の日、1歳半の息子さんが、
兜飾りに向かって手を合わせていました。

お父さんは反射的に、
「ばかだなぁ〜。それは兜だぞ」と言いそうになったのですが、
その姿がかわいらしかったので
「何やっているんだろうね〜」と、見ていました。

息子さんが真剣に「ナムナム」と言っているのを、
隣で「ナムナム」と真似した瞬間、はっと気づいたのだそうです。

そのお宅は、毎朝お仏壇に手を合わせる事を習慣にしていました。
そのお仏壇のキラキラと、兜飾りのキラキラが似ているから、
これも「ナムナム」するものだ、とこの子は推論したんだ。
まだ1歳半で、何もわかるまいと思っていたけれど、
親の自分が大事にしていることを、ちゃんと受け取ってくれているから
こうして「ナムナム」しているんだ。

そう気づいたら、とてもうれしくなって、
「うちの子、天才じゃん」と思ったのだそうです。
ちょっと前まで「ばかだなぁ」と思っていたのに(笑)。

「良い聴き手になる」とは、このお父さんのように、
子どもが何をやっているんだろう、何て言っているんだろうと興味を持って
自分のメガネをいったん外して、子どもと心を合わせ、
子どもの見ている世界を見せてもらうことです。
皆さんもこのようにして、楽しい発見をたくさんしていらっしゃることでしょう。

「聴く」とは、子どもの言っていることを
単にフンフンと耳に入れることとは違い、
もっと心をつかう積極的な愛情表現なのです。

●「溺れている時は、水泳を教えるのに適した時ではない」

楽しいかわいい「妙なこと」なら
自然に良い聴き手になれる私たちですが、
第10錠でご紹介したように
「学校に(塾に、ピアノに)行きたくない…」とか、
スーパーで転んで「えーんえーん、いたいよ〜」と泣き続けるなど、
受け入れがたい「妙なこと」の時には、
親の方にも言いたいことが一杯になってしまって、
良い聴き手になるのが難しくなります。

児童心理学者のハイム・ギノットはこう言っています。
「溺れている時は、水泳を教えるのに適した時ではない」
子どもが溺れていたら、まず救いますよね。
そして、足がつく安心で安全な所に連れて行ってから、
水泳を教えるでしょう。

こころの問題も同じです。
子どもが悩んだり泣いたりしている時は、
論理的にそれが正しいかどうかを指導する前に、
まず、安心感を持てるようにしてあげること。
解決に向かう力は、そこから湧いてきます。

安心感が生まれるのは「自分の気持ちをわかってくれる人がいる」ことを知る時です。
それを知らせる最善の方法が、「良い聴き手」になること。
普段は意識せずにできている「良い聴き手」になる4つのステップを、
おさらいしてみましょう。

●安心を生む良い聴き手になる4つのステップ

ステップ1 リフレーミングする
受け入れがたい「妙なこと」を子どもが言う時、
「ワケがわからない、あってはならない事」から、「きたきた(笑)」へ、
「困った子」から、「困っている子」へと、見方を変えてみましょう。
ほとんどの場合、あなたのお子さんは、
あなたを「困らせてやれ」と思っているわけではありません。
大好きだからこそ「わかってほしい」と訴えているのです。

ステップ2 ミッフィーちゃんになる

良い聴き手の基本は、「子どもをまっすぐ見て、お耳は大きく、お口は×」。
ただし無表情ではなく、困ったときには困った顔、痛いときには痛い顔と、
子どもの表情を真似してみましょう。
うなずき、あいづちもOKです。
それだけでも、今の子どもの気持ちが見えてきます。

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ステップ3 「この子が今、大切にしていることは何だろう」と心を合わせる
子どもの言っていることが正しいかどうかを頭で考えるのではなく、
そう言いたくなるほど大切にしていることは何だろう?、
と、その感情に焦点を当てて、心でキャッチしてみましょう。

ステップ4 キャッチした事を無心に確認する
「ん〜、学校に行きたくないんだ〜。なんかもやもやしてるみたい…」
「なんだか、すごくつらそうだね〜」
「あぁ〜、痛かったね〜」
など、自分の心に伝わってきた事を、
「あなたはこう感じているのかな?」と無心に子どもに確認します。
合っていれば「そうなんだ、だって…」とか、
違っていたら「そうじゃなくて…」と
子どもが教えてくれますから、正解を言おうと肩に力を入れずに、
「教えて?」という感じで言ってみましょう。

ステップ1の前に、「話を聴ける環境を整える」事が必要な時もあります。
スーパーの中、たくさんの他人がいる前で、ひっくり返って泣いている子どもに、
4つのステップをやるのは相当な勇気(笑)が要ります。
まずは子どもを抱え上げて店の入口のベンチに走り、
座ってからゆっくり話を聴くのがおすすめです。

「聴く」という行為は、子どもの世界を見せてもらうと共に
「そうだったのか」と親自身の心にも変化を起こします。
その心の動きが子どもに伝わって、
「お母さんはわかってくれている」という安心感になります。
人は、安心すると次のステップに向かって考え始めることができるのです。

子どもの話を聴いた結果、自分自身が変わることを恐れたり、
そんな必要はないと意固地になっている時は、
良い聴き手になることも難しいのです。

「子どもの話をうまく聴けない」、と感じた時には、
まずあなたの不安な気持ちを誰かに聴いてもらいましょう。
おいしいお茶を入れて、
あなた自身をリラックスさせて、大切にしてあげましょう。
あなたの愛情袋が満たされれば、
子どもに愛情をあげることも、もっと楽になりますよ。
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