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子育てサプリとは
こんな症状に:
「子育てをもっと楽しくしたい」「こんな時なんて言おう?」
成分:
コミュニケーションと心理学
効能:
笑えてほっとして元気がでます
来てくれてありがとう
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テレビの投稿ビデオ番組で、こんな家族の一場面が映し出されました。

お姉ちゃん(小5)と妹(小4)が、最初は足がちょっとあたった、というささいなことから、お返し、倍返し、と叩きあいがエスカレート。

そこへ買い物からお母さんが帰ってきました。姉妹のケンカを見るなり血相を変えて、
「なにやってるの!『けんかしちゃだめ』っていつも言ってるでしょ!」
と、買ってきた袋から太ネギを引き抜き、それで二人を叩き始めました。

「どうしていつも仲良くできないの!」バシバシ。
「もういいかげんにしなさいよ!」バシバシ。

ほうほうのていで姉妹はけんかを止めました。最後にお母さんは、
「何で叩かれたかわかってるの!?言ってごらん!」

妹が、まじめな顔で答えました。
「…ネギ」

お母さんは、「仲良くしてほしい」と伝えたかったのに、子どもたちには「ネギで叩かれた」ということが伝わってしまったのですね。
伝えたいことがきちんと子どもの心に届くためには、どうしたらいいのでしょう。

こんな場面であなたは、普段どんな対応をしていますか。
どんな場合にもあてはまる正解はありませんから、ご安心を。直感で答えてください。

1. ほうっておく
2. 「(お姉ちゃん、妹)なんだから、がまんしなさい」「相手にしなければいいでしょう」としかる
3. 「どうしたの」と聞き、どちらも悪い事をわからせて、お互い謝らせる
4. 「○○ちゃんは、たたかれて悔しかったんだね〜、△△ちゃんはやられっぱなしじゃいやだって思うんだ〜」と、二人の子どもの気持ちに寄り添って聴き、どうしたらいいかを自分たちで考えさせる
5. 「もう、ほんとにがっかりだわ!疲れて帰ってきたら、けんかしてるんだもん!」「怪我をするんじゃないか、ってすごく心配なんだよ」と、そのとき感じている自分の気持ちを素直に言う。
6. 「まぁ、けんかするほど仲がいいっていうし」と考えて、心配していることがおきないように予防する。「怪我したり泣いたりしないようにしてね」「物が壊れるとイヤだから、外でやってくれるとうれしいんだけど」と依頼形で伝える。
7. 子どもたちの手をつかんで「私の大事な子どもを叩くのは、このかわいい手かぁ〜」と魔女のように言ってにやりと笑う。

いま選んだ方法は、あなたが子どもの時に、そうしてもらった経験が多いのかもしれませんね。
そのやり方にあなたは満足していますか?
心残りがあるとしたら、どんなことでしょう。
ほかの方法からも、学んでみましょう。

1. のびのびけんかできる広い空間があったり、本当に危なくなったら止めてくれる祖父母の目がある、という方や、「忙しい」「子ども同士のことに親は口をださない」という名目で、ほうっておくと、ケンカが自然に治まることもあります。
しかし何も言わないことを選んだ結果として、起きたことの責任を引き受けなくてはならない時もあります。
例えばどちらかが泣きついてくる、ふすまが破れる、怪我をするなど。

2. 短時間に黙らせる効果は高いですが、我慢させられたほうの子どもに不満がたまります。
「あのときは私が我慢したんだから今度は○○ちゃんの番」と「そんなこと覚えていたの」というようなことを言うのはこんな時です。

3. いわゆるケンカ両成敗。
でも意外にすっきりしているのは親だけ、ということも。
子どもたちは、頭で理解してもこころにもやもやが残っていると再発します。
「ごめんね」と言わされたそばから、また叩きあいが始まることもあります。

4. カウンセリングでは傾聴、コーチングでは完了と呼ばれるかかわり方です。
子どもの気持ちを親が言葉に出して確認することで、「あなたの話を聴いているよ」と伝え、子どもが安心して解決に向けて考えを進めることを助けます。

親のほうに気持ちや時間のゆとりがあるときには、誰でもこの対応ができています。
逆に、親がイライラしているときには、「早く気づけ」というオーラが出て、うまくいかないことも多いのです。
日ごろ自分自身へのケアをしていると、楽にできるようになります。
自分の子どもよりも、人の子どものほうがうまくできるのは不思議です。

5. 「アイ・メッセージ」を言う方法です。
子どもに対して腹を立てているとき、頭の中は
「あなたたちは仲良くすべきなのに、なぜわからないの。わからないあなたたちが悪い」
という「ユー・メッセージ」でいっぱいです。

ここで、「そこまで強く思う」自分の気持ちを見つめてみましょう。
わたしの中に、いま、どんな恐れや不安、疲れがあるのでしょう?
わたしは何を大切にしたいのでしょう?
それを「わたしはね、」という言葉ではっきりと表してください。
そして、子どもたちの反応を待ってみましょう。
自分の気持ちがうまく伝えられると、4のように子どもの気持ちを聞きとり、解決を待つ対応がしやすくなります。

6. 「リフレーミング」と予防を使う方法です。
「けんか=仲が悪い」という視点から「ちょっとのことが気になったら、安心して表現できる関係」という視点に切り替えることが「リフレーミング」です。

本当に仲が悪かったらお互い無視しあい、遠慮しあいますから、「こんな些細なけんかができるほど気を許しあっているのだなぁ。20歳過ぎても倍返ししている兄弟はいないし」と思うと、親はちょっと冷静になれます。
その上で、放置するのではなく、自分が心配なことが起きないように声をかけてみましょう。
予防は「アイ・メッセージ」の変形です。
自分が心配していることはなにか、がはっきりすると、依頼しやすくなりますね。

7. ファンタジーを使う方法です。
「あなたたちのことが大切なんだよ」とまじめに話すのが照れくさい親は、こんなふうに物語に引き込んで、「大事な子ども」「かわいい手」と子どもの存在は肯定しながら、「叩く」という行為を止めてみましょう。
こどもたちが「キャー」なんて手を取り合ったらこちらのもの。
新たな敵に、子どもたちはけんかを忘れて力を合わせているのです。

あなたがどれを選んだとしても、そのとき自分のできる最善のことを選んでいます。

そして、いろいろな選択肢の意味を知ったら、「つぎはコレやってみよう」と楽しむことができるようになりますね。

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「子育てサプリ」もいよいよ最終回を迎えました。
子どもとのコミュニケーションの行き違いに「どうしよう…」とおろおろするのは、愛情を持った親だからこそ。
その気持ちを大切にしながら、「大丈夫、こんな風にも言える」という元気が出てきますように、と願いを込めて、毎回のサプリを書かせていただきました。

これからも、「こんな時、何て言ったらいいのかな?」と思った場面や、実際に「こうやって言ってみた」という体験を、お知らせいただければうれしいです。
お互い、子育てを楽しんでいきましょうね。
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