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子育てサプリとは
こんな症状に:
「子育てをもっと楽しくしたい」「こんな時なんて言おう?」
成分:
コミュニケーションと心理学
効能:
笑えてほっとして元気がでます
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前回のように、よその子に注意する時にはいろいろ考える私たちですが、自分の子どもの行動に困った時には、おきまりのパターンが出やすいものです。

子ども「○○ちゃんの家に遊びに行ってきまーす」
親  「日が暮れるのが早いから、5時には帰っていらっしゃいよ」
子ども「はーい」
と出かけた子どもが、6時になっても帰ってきません。
お友達の家に電話をしても、
「あら、もうとっくに出ましたよ?」
と言われ、
「まさか事故にあったのでは…それとも、誘拐…?」
と、心配でドキドキしながら、警察に電話しようかと考えていたら、
6時30分過ぎに、
「ただいまー」
と帰ってきました。

こんな時、なんとおっしゃいますか?

子どもの行動に困ったり心配した時に、私たちがする反応には、大きく分けて3つのパターンがあります。



1.トゲトゲボールを投げる(攻撃型)
「まったくもう!何時だと思っているの?!どこ行ってたの?!本当にルーズなんだから!
何度言ってもわからないなんて、バカじゃないの!?」

とても心配した気持ちを爆発させて、相手に伝えるパターンです。
言葉をボールに例えるなら、トゲトゲしたボールを相手にぶつける感じ。

子どもは、痛くてそのボールを受け取ることができなかったり、あるいは首をすくめて「早くこの嵐が去ってくれますように」とひたすら祈ったりします。

ちなみに、攻撃型になっているときには、よく、「怒りの5W1H」と呼ばれる妙な質問をしています。

「何時だと思ってるの!?」(when)
「6時30分です」

「どこ行っていたの?!」(where)
「友だちの家を出た後、別の友だちに会って、話をしてから帰ってきました」

などと、冷静に答えてもらうと、余計怒りが増してしまう質問です。
答えても、答えなくても怒られるという板挟みで子どもは沈黙してしまいがちです。

2.チクチクボールを抱える(ひっこみ型)
「…お帰りなさい」
(心の声:まったくもう!何時だと思ってるの!
でも、感情的に怒りたくはないし…。
無事に帰ったんだから、いいことにしよう…)

心の中ではプリプリ怒っていても、そのままぶつけて子どもを傷つけたくないから、と、怒りや心配というチクチクを抱え込んで我慢するパターン。
ときどき、ひどく不機嫌なオーラを出しています。

相手はあなたの気持ちを知らずに、また、同じ行動をして困らされることがあります。
何度か我慢したあげくに、「仏の顔も3度まで!」と大爆発してしまい、またそのことで「大人げないことをしてしまった」と後悔する、という、つらいパターンでもあります。

ここまで読むと、
「自分はどちらかというと攻撃型かな」とか、
「わたしはひっこみ型だわ」
と感じる方がいらっしゃいますが、
私たちは、もう一つのパターンを選んでいることもあるのです。

3.ふわふわボールを投げる(率直型)
子どもが無事に帰ってきて、その姿を見たその瞬間、怒りがわきあがる直前には、何と思っていらっしゃいますか?それを正直に、言葉にしてみましょう。
「あぁよかった!」

しかし、それだけでは腹の虫が治まりませんから、
「まったくバカなんだから!」と言いたいくらいのエネルギーはそのままで、
今まで感じていたことを伝えてみましょう。
「でも、すっごく心配したんだよ!」

攻撃型と率直型、同じ気持ちから発した言葉なのに、伝わるものはずいぶん違いますね。
その違いはどこから来るのでしょうか?
supple07.jpg

お気づきの通り、前回と同じく主語が違います。
攻撃型の言葉の主語は「あなた」。ユー・メッセージです。
「まったくもう!(あなたは)何時だと思っているの?!
(あなたは)どこ行ってたの?!本当に(あなたは)ルーズなんだから!
何度言ってもわからないなんて、(あなたは)バカじゃないの!?」
あなたはこうだ、と言われると、受け取りにくく、反発したくなるばかりで、
その根っこにあるあなたの心配にまで、気が回らないことが多いのです。

率直型の言葉の主語は「わたし」。アイ・メッセージです。
「あぁよかった!でも、(わたしは)すっごく心配したんだよ!」

子どもとしては、心配させるつもりは無かったかもしれません。
しかし、自分を心配してくれる人がいる、ということを知ったとき、自分の行動を見直す目ができてきます。

「思いやりを持ちなさい」
と百回言われても思いやりを持つのは難しいことですが、自分の行動でこう感じる人がいる、と伝えてもらうことで、
「では、どうしたらよかっただろう?」
と考えることができるきっかけができます。

これが、思いやりのはじまりです。

「率直に言う」とは、相手をあけすけにけなすことではなく、自分の気持ちをきちんとつかんで伝えることです。

しかし、怒っているときに自分の気持ちを捕まえるのは、なかなか難しいものです。

そこで、次回は「怒りのしくみ」について考えてみましょう。
どうぞ、お楽しみに。
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