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子育てサプリとは
こんな症状に:
「子育てをもっと楽しくしたい」「こんな時なんて言おう?」
成分:
コミュニケーションと心理学
効能:
笑えてほっとして元気がでます
来てくれてありがとう
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これまで、親が困っているときや、子どもにきちんと伝えたい時の
「こどもの耳に入りやすい話し方」についてのサプリをお届けしてきました。

「でも、いくらちゃんと伝えようとしても、伝わらないのよね」
という相談をうかがっていると、
「聴くべき時」にも、自分の思いを伝えようとしている場合が多いのです。

そこで今回と次回に渡って、「聴くべき時の聴き方」のサプリをお届けしましょう。

●子どもが妙なことを言う時


例えばあなたのお子さんが、朝、ぽつりと
「学校、行きたくないな…」
と言ったら、あなたは何とおっしゃいますか?

子どもが、親にとっては受け入れがたい「妙なこと」を言った時、親の示す愛情表現に、以下のような「得意技」があります。

命令・脅迫
「ぐずぐず言わずに行きなさい!勉強ができなくなっちゃうよ!友だちがいなくなってもいいんだね?」
訊問「あら、なぜなの?どうして?宿題やってないの?先生に怒られたの?まさかいじめられてるんじゃないでしょうね?」
正論「お父さんもお母さんも仕事。子どもの仕事は学校に行くこと。いやだと思うからいやになるのよ」
提案「車で送っていってあげるよ」
侮辱・共感のない同意「ほんとに根性無しねぇ。嫌なら学校やめれば?」
激励「がんばって行ってらっしゃい!帰ってきたらおいしいおやつがあるよ」

「ああ、これ言っているなぁ」と思い当たる技はあるでしょうか?
「全部言ってる(汗)」という人もたくさんいますから、ご安心を。

トマス・ゴードンは、これらの得意技を「コミュニケーションの障害」と手厳しく呼んでいます。

なぜ、こんな得意技が口から出てくるのでしょうか?
それはあなた自身が昔、悩んでいた時に、その得意技を言ってもらって気づいた、がんばれた、ということがあったのかもしれません。

あなたがその得意技を言ったら、相手が話しやすくなったり、元気になったり、視点が変わったという体験があるのかもしれません。

得意技は、それぞれの人のコミュニケーションの「持ち味」とも言えます。
お互いが元気な時には、会話のスパイスにもなります。

しかし、あまり元気がない時には、得意技が効かないばかりか、思いがけない裏メッセージが伝わってしまうことがあります。

あなたの得意技が、その子にとっても得意技、とは限りません。
愛情を持っているからこそかけた言葉が、子どもの愛情袋のフタにはじかれて、届かないこともあるのです。
(「愛情袋」については第4錠をご覧ください)

●思いもかけない裏メッセージ


不安定な気持ちの時には、自分に向けられた得意技の言葉の中に、次のような裏メッセージを受け取りやすくなります。

(あなたはそんな風に感じてはいけない)
(あなたは考えが足りない)
(私の言うとおりにしろ)

こんなメッセージを受け取ってしまった時の、子どもの反応の仕方には、2つのパターンがあります。
ひとつは、
「何もわかっていない!」
「話を聞いてくれない!」
と、怒ったり、泣いたりして、不信や反発を表現するタイプ。
もうひとつは、
「自分はこう言ってはいけなかったんだ」
「自分の感じ方は間違っているんだ」
と感じて、黙り込んだり、気持ちをはきだせなくなってしまうタイプです。

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●得意技がやぶれると、落胆から怒りを感じやすい


親が子どものためを思って、得意技を言ったのに、元気になるどころか、反発されたり、黙り込んだりされてしまうと、今度は親の方が、まるで自分を否定されたように感じて、怒りたくなります。

「何度言ったらわかるんだ!」
「じゃあもう知らないから、勝手にしなさい!」

先日出会ったお母さんは、転んで泣き出した子どもに、最初はやさしく
「痛くない、痛くない」
と声をかけていましたが、子どもが全く泣きやまないのにイライラして、
「痛くないって言ってるでしょっ!!」
と、笑い話のようなセリフを本気で言っていました。

このように、「相手が話を聴いてくれない」ことは、大人でさえずいぶんこたえます。

まして、子どもにしてみれば、
「自分の話を聴いてくれなくて悲しい上に、親の話をちゃんと聴けと怒られて、つらい」
という難儀な状態。
カラに閉じこもったり、反発したくもなるというものです。

さて、こんな状況をどうしたら変えられるのでしょうか。
得意技に効果がないことがわかったら、いつまでも固執しないで、次の手を打ちましょう。

いまこそ、「聴き時」です。
こんな時は、子どもの言っていることを簡単にわかった気にならないで、じっくり確認することからはじめましょう。

次回は「良い聴き手になる方法」です。
どうぞお楽しみに。

●子どもの頃の気持ちを思い出させてくれる本

「コブタの気持ちもわかってよ」小泉 吉宏、幻冬舎(旧版はベネッセコーポレーション)
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